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なぜその本が無料で読めるか知っていますか?青空文庫と著作権のお話。

こんにちは。

西野です。

 

電子書籍Kindleストアなんかで買おうとすると、無料本っていうのがたくさんあります。

新作の期間限定無料キャンペーン中のものもあれば、いつまでも無料のものもあったり。僕も、無料で本が読めるなんて願ったりかなったりなので、よく買うのですが、こういう本を見たことありませんか?

 

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えんじ色のカバーで、どこかで見たことのあるタイトルが並んでいる本です。

学問のすすめ」や「ドグラ・マグラ」、「風立ちぬ」などなど、名作だらけです。

Kindleユーザーの方ならよく見かけるんじゃないでしょうか。この表紙の本は全部無料なので、ふと名作を読みたくなったときなんかにとっても便利です。

 

でもなんでこの本たちは無料なんでしょうか。

だって、街の書店に行けば、1冊500円とかで売ってるものですし、いくらなんでもお得すぎます。

 

今日は、知っている人には今更ですが、意外と知られていないこの無料本を出版している青空文庫についてのお話です。

 

 

青空文庫とは

 

青空文庫とは何かというと、小説をデータ化してインターネット上で無料で読むことができる電子図書館のことです。今も現役でバリバリありますが、通常のホームページで作品を一般公開しています。お馴染みKindleほか電子書籍ストアの先駆けのようなサービスを、日本で初めてスタートしたのが青空文庫なのです。

 

ホームページはこちらです。

青空文庫 Aozora Bunko

 

 

青空文庫主宰・富田倫生さん

 

この青空文庫を主宰したのが、富田倫生さんという方です。

早稲田大学政治経済学部を卒業後、編集プロダクションを経て、1983年31歳の若さでフリーランスのジャーナリストとして独立しました。富田さんの専門は、パソコンでした。1990年代に爆発的にパソコンが普及するまえ、1985年には、日本製パソコンの開発劇に迫り取材をかさねた『パソコン創世記』を出版したりと、優秀なジャーナリストとして活動していました。

 

1995年頃から、インターネットが一般的なものになりました。パソコン市場を追いかけていた富田さんは、ゆくゆくは、ネット上で本の売り買いができたり、音楽とかテレビ番組だってネットで取引できる時代がくるぞと予感していたのです。

 

1997年に富田さんが発起人となって青空文庫を設立しました。小説作品をひたすらデータ化して、一大図書館を作ろうという壮大なプロジェクトでした。
ちなみに、すべての小説がデータ化できるわけではなくて、できるのは著作権が切れた作品(日本では著作者の死後50年を経たもの)のみです。それでも、芥川龍之介とか川端康成とか、名だたる名作をデータ化すればですね、パソコン1台あればどこでもいつでも作品を読むことができるようになるのです。

 

 

青空文庫ができると何が変わる?

 

では、そもそもどうして富田さんは、青空文庫を創設したのでしょうか。
それは、文化の幅を広げることができると考えたからです。どういう事かと言うと、
著作権切れの本は、自由に二次利用だったり、販売だったりができるのですが、著作者以外が使用してはじめて出る面白味や新鮮さというのが、作品をいいものにしていくきっかけにもなるということです。富田さんは、青空文庫の利用者を増やして一般的なものにして、作品制作の自由や新しいサービスを生み出す刺激を世の中に与えようと考えていたのですね。

 

 

著作権は50年?70年?

 

ところで、著作権保護期間(死後50年ルール)が、昨今話題になっていますね。50年から70年に延長しようというものですが、TPP(環太平洋経済連携協定)で議論されています。青空文庫では、延長には断固反対していて、著作権保護期間はいたずらに延ばさないで、より多くの人がはやく触れることができるようにすべきと考えています。

 

 

どんな人でも読書を楽しめる取り組み

 

今の青空文庫では、視覚障害者の為の音声読み上げ機能とか、大きな活字で読める機能とか、外出ができない人が在宅で本を楽しめるなど、これまでは本を楽しむことができなかった人たちにもサービスを提供しているのです。
 
1997年の創設から今までで、およそ1万点以上もの本がデータ化されています。しかも、すべて無償のボランティアスタッフの手によるものです。これまでに、膨大な人数のひとたちが青空文庫の活動を支援し続けているのですね。

 

2013年8月16日、61歳の若さで、肝細胞癌の為、富田さんは亡くなりました。
富田さんが亡くなっても、まだまだたくさんの支援者に支えられながら、青空文庫電子図書館として大きくなり続けています。
富田さんが築いた青空文庫は、これからの本の新しいかたちです。本と本を読む環境がとても楽しく、とても快適になるサービスを、次々打ち出してくれることを期待しています。

 

 

これから著作権が切れる作家たち

 

最後に、2016年に著作権切れ(死後50年)を迎える作家をご紹介します。

 

谷崎潤一郎細雪」や「痴人の愛」、「春琴抄」などで、言わずと知れた大作家です。外国でも有名な日本人作家として、川端康成三島由紀夫なんかとも並んで名前が挙げられたりしますね。

 

江戸川乱歩「D坂の殺人事件」などなど、少年探偵団シリーズで有名です。余談ですが、僕は小学生の時の読書感想文で「怪人二十面相」を読んだ記憶があります。

 

などなど、これだけ有名な作家の小説が、これからは無料で読めたり二次利用できることを考えると、出版もそうですが、その周辺(舞台演劇など)も新しい動きがでてくるんじゃないでしょうか。

  

本日は、青空文庫著作権のお話でした。

富田さんの活動のお陰で、今もこうして無料で名作に触れられるというのは嬉しい限りですね。これからももっともっとKindleで読み倒していこうと思います。

 

ではでは、このへんで。

 

 

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